2013/02/12

Day 106: バイトのこと 2/Waiting Tables 2

2013年2月12日火曜

気付いたら渡豪100日記念日をとうに過ぎていました。
そして日曜は旧暦の新年でしたが、それも何となく過ぎていきました。

今現在、これまでの人生で一番中国系の人々に囲まれて暮らしていますが、周囲が新年だ帰省だ祭りだ獅子舞だと浮き足立っている中で、私は心身ともに蚊帳の外でした。異なる風習を目の当たりにしても、実際にその中に身を置いても、やっぱり新年は太陽暦の1月1日だし、卒業・入学に桜は付き物だし、カレーはご飯にかけたいんです。

とは言え、みんなが笑顔で「Happy New Year!」と言い合っているのは傍目にも気持ちが良いです。
そして、マネージャーがお年玉袋をくれたのは嬉しかったです。やりー(死語?)な気分です。
いいんですよ、31でお年玉もらって浮かれてても。42歳の独身シェフは、同学年の友人(既婚)が今でもお年玉をくれると言っていましたし、馴染みの定食屋のバイト君にだってお年玉をあげちゃうんだそうです。撒かれた福はありがたくいただきます。

そんな(?)バイトも、残すところ2週間となりました。
昨日でちょうど4ヵ月めに入り、もはや古参といったところですが、それなりに色々とやらかしてきましたよ。

「お燗ならこちらがおすすめです」と言った日本酒が、実は冷酒専用だったり(そしてそれでもお燗で出したり)、
ボトルで飲んだお客さんの勘定にボトル分だけ加算し忘れてたり(追いかけたけど見失い・・・)、
シェフが高々と飾り立てた天ぷらをお客さんの目の前でつんのめって床にまき散らしたり、
ラブリーエンジェルベイビーに笑いかけたら火が付いたように泣かれたり。

物忘れの良さが奏功してその他8割の失敗はすでに記憶の彼方ですが、今でもはっきり覚えている失敗が(少なくとも)ひとつあります。


【食洗機グラス事件】

あれは週末の忙しい夜のことでした。
梅酒用のグラスが足りなくなったので、急いで食洗機を回して、熱々のグラスを冷ますために氷の中に突っ込みました。少しはマシな温度になったところで、氷をたっぷり入れて梅酒ロックをお客さんへ。グラスをテーブルに置いたときに初めて感じた軽い違和感は、取りあえず黙殺。他のテーブルの対応をしているうちに、そんな違和感もすっかり忘れていました。
少し経ってバーに戻り、別のドリンクを作るべくミニスコップを氷に突っ込んだとき、カツンというおかしな音がしました。見ると、氷がゆるめの輪を作っています。「あら、キレイ」なんて言いながら手に取って、ブレスレットよろしく手首に通してみようとしたら、パキンと真っ二つに割れました。

「これ、ガラスじゃん・・・」

それからたっぷり3秒後にようやく点と点がつながって、一気に「???」から「!!!」へ。
血の気が引きました。バッと振り返って、先ごろ梅酒ロックを出したお客さんを見ると、

「フツーに飲んで笑っておられる・・・」

食器を下げるときにそれとなく確認したら、明らかにグラスの丈が短いし、縁がおかしな流線を描いています。口を付ければ一瞬で妙に荒削りなグラスの縁に気付くはずです。カタカタ震えながら御前を辞して、お会計の際に口元を凝視しながら「本日はいかがでしたでしょうか・・・?」と訊いてみましたところ、

「HAHAHA!良かったよ!梅酒も美味しかったしね。また来るよ!」と言って、チップをはずんで去って行かれました。


お客様は神様です(涙)



この食洗機グラス事件が目下最大の失態でしょうかな。
大事に至らなかったから今でこそこうやって笑いをこらえながら書けますが、あの時のお客様には本当に感謝です。いや、それ以前に申し訳ありませんでした。陳謝です。


 ストレスのない仕事なんてないのでしょうが、仕事上のストレスを仕事先で相殺できるのは、本当に有り難いことだと思っています。お客様に感謝、仕事仲間に感謝、今日もまたよろしくどうぞ。





最近、図書館の脇に姿を見せるウサギ。
野良にしては毛並みがよろしい。


Runaway moustached rabbit.
マッキーの太字でひと塗り、的な。



 

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