2013/01/19

Day 77: ほんとにツアーへ/The Great Ocean Road!

2013年1月14日月曜

同じ轍は踏むまいと、前夜は11時に就寝、5時に起床、6:39発の電車に乗ってシティへ。
そして行ってきました、

万座毛!!

 
 
・・・ではなく、グレート・オーシャン・ロードです。

参加したのは、走行距離600km、往復12時間のバスツアー。
ドライバー兼ガイドのロジャーさんは56歳、生粋のメルボルンっ子で、今はシティから車で3時間のところに12エーカーくらいの土地を買って住んでいるとか。リンゴに梨、アプリコットや柑橘類の豊富な農園で、果物を育てたり飼っているアルパカの世話をしたり、週に何回かこうしてツアーバスの仕事をしながら暮らしているそうです。ちょっとうらやましい生活だなと思いました。

バスはロジャーさんの自己紹介に始まり、シティの南側から北西へ向かって走ります。
メルボルンの人口は約400万人で、ビクトリア州の3分の2、オーストラリア全体の6分の1強を占めるとか。また、ここビクトリア州は、ゴールドラッシュ時代には世界中の金の40%にあたる量を産出していたことや、現在のオーストラリア国内に出回っている乳製品の65%を供給していることなど、トリビア的情報をたくさん織り交ぜながらツアーを進めてくれました。
反対車線の渋滞ぶりを示して、「見ての通りシティへの通勤ラッシュがあまりにひどいので、メルボルンでは高速道路のことを"Car Park(駐車場)"と呼ぶんです」と揶揄してみたり、ベジマイトの工場を見かけたら「食べたことありますか?ひどい味でしょ?」とおどけてみたり、ロジャーさんのオージートークのおかげで楽しい車中でした。
 
最初の見どころスポット、Urquhart Bluff からの眺め。
この時点でシティから車で3時間くらい・・・だったかな?
 
バスは途中でいくつかの街に立ち寄り、休憩や昼食をはさんで、午後から本格的にグレート・オーシャン・ロードに入りました。

おっと、その前に。

もんまり発見!
枝を過大評価しているのか、自分を過小評価しているのか。
いずれにしてもハラハラするポジショニング。
 

木に「なって」いるコアラ。
木を抱っこしているわけでもないのに、一体どうやって体を固定しているのやら。
(まさか吸盤・・・?)
They do well in hiding themselves among the trees...until they're done feasting away.

上の写真の通り、期せずして野生のコアラも見られました。
本当に「木にとまっている」という印象で、セミのように木の幹にしがみついているのもいれば、よくもまぁそんなところに、と思うほど細い枝に挟まってたりもします。特に後者は、ドロップベアー(コアラを大きく凶暴にしたような架空の肉食性有袋動物で、木の上から頭上に落ちて獲物を捕らえる)の由来になったのも分かる気がするような不安定さでした。サルは木からうっかり落ちるんでしょうが、コアラは枝ごとぽっきり落ちそうです(「あ~あ~あ~」とか言いながら)。あるいは、ちょっと力を抜いた瞬間に木の幹をずるずると滑り落ちていきそうです(やっぱり「あ~あ~あ~」とか言いながら)。
でも、そんなところもとってもカワイイ。

グレート・オーシャン・ロードの正門、Memorial Arch


そのMemorial Arch付近の住宅。
なんでこんな場所に・・・という立地から、いわゆるホリデーハウスかと。
ちょっと見づらいですが、写真中央あたりにハングライダーが飛んでいます。
なんでこんな場所で・・・


3000人の白いひげを生やした小人WWI帰還兵が14年の歳月をかけてツルハシとスコップで建設したというこの道路、グレート・オーシャン・ロードは、世界の海岸道路ベスト10に数えられているとか。200km超に及ぶ道路を、右手に大平原、左手に大海原を眺めながら、時に瀟洒な別荘が立ち並ぶリゾートタウンを通り抜けてドライブするのはとても気持ちが良さそうです。自分で運転するべき!というアドバイスを受けたのも納得できますし、私ならむしろアメリカンバイクにまたがってゆったり走ってみたいとも思いました。

東名高速・・・ではなく。


北海道・・・ではなく。

しかし、グレート・オーシャン・ロードの醍醐味は、そのゆったり感を突如ぶった切る自然の驚異にあります。屹立する断崖絶壁と、対峙するように孤立する奇岩群。これはもはや海上のグランド・キャニオンではないかと。

【ロック・アード・ゴージ(Loch Ard Gorge)】は、岩の浸食が紺碧の海に映えるきれいな景観でした。宮崎駿アニメの『紅の豚』に出てきそうな隠れ砂浜がありましたが、時間の関係で降りていけなかったのが残念。あの断崖を下から見上げたらまた違う感嘆が漏れたと思います。個人的には一番好きなスポットでした。


茂みをかき分けて歩いていたら、いきなり絶壁!
チキンレースにはもってこいです。
(注:決められた歩道を歩きましょう)


決められた歩道をさらに崖の先へ先へと歩いていくと・・・

ババン!!!
という効果音が鳴り響くような絶景が眼前に。


『紅の豚』的な。
舞台になったアドリア海にもこんな場所があるんでしょうな。

手前の大きな岩が、Razorback。
岩石の堆積具合が丸わかりです。

【ロンドン・ブリッジ(London Bridge)】は、もとは眼鏡橋だったのだとか。しかしちょうど23年前の1990年1月15日、陸と岩をつないでいた部分が崩壊。当時は岩の先まで歩いて行けたそうで、3人が岩の上に取り残されたそうです。自分の後ろで岩が崩れ落ちた時の恐怖とパニックは想像に難くありません。どうやって陸に戻ればいいのか、それよりも自分たちが乗っているこの岩もじきに崩れるんじゃないか・・・と。幸い、胸騒ぎがしてたまたま寄ってみたという地元の人が通報してくれて、メルボルン警察まで知らせが届き、新聞社のヘリで無事に救助されたそうです。奇跡の生還にお涙ちょうだいのインタビュー映像が撮れると新聞記者が興奮したのも束の間、救助された3人はマイクを向けられても何故か浮かない顔。それもそのはず、3人のうち1人は仮病を使って会社を休んでいて、残る2人は不倫の関係にあったとか。悪いことはできないものです。

London Bridge を眺める

陸とのつながりなどはじめからなかったかのような、見事なスッパリ感です。
残ったアーチもいつかは昔の記憶になるのでしょう。
この景色も今だけ今だけ。

崩壊前と今を比べた絵ハガキ

そして大トリ、【十二使徒(Twelve Apostles)】。グレート・オーシャン・ロードと言えばこの画、というほどよく見られる景色です。そしてこの景色も、2005年7月3日に使徒の一人が崩落し、やや印象を変えています。大自然にあっては、変わり続けることもまた自然なんだなと感じさせられました。だからこそ今でなくては。

思いのほか長い遊歩道だったので、小走りでビューポイントを通過。

同じ絵ハガキから、十二使徒の劇的ビフォー/アフター

カメラは安物、モデルは世界遺産級

運転手ロジャーの話を聞いてからしばらく迷っていましたが、これもCarpe Diem、やらなかったらきっと後悔すると思ったので、【十二使徒】でヘリコプターツアーに参加しました。人生で初めてのヘリ飛行は80ドル、それはそれは息をのむ8分間でした。言葉にならない感激が、写真でわずかにでも伝わることを願うのみです。


8人乗りのヘリ。
一応緊急ジャケットは装着しましたが、恐怖心はなく。
いつか自分で操縦してみたいなぁ。



ヘリから見た海岸線。
手前のタツノオトシゴみたいな島は、どこぞのゴルフコースにありそうな形です。
ただし、コースの外はすべて池。
「ファーーーーー!!」 ・・・ぽちゃっ



そういえば、地球って平らだったっけ

思えば、ペナン島でパラセーリングに挑戦して、海から島を眺めた時の感動もこんな感じでした。スケールは違いますが、私はどうやら大海以上に大地の壮大さに感動を覚えるタイプのようです。



とは言っても、雲一つない快晴に恵まれ、空を映す海原の碧さにも同じくらい感動しっぱなしでした。

先週の月曜に予定通りのツアーに参加していたらどうだったかなんて分かりません。
でも今日、ロジャーさんが案内するこのツアーバスで、この天気にこの気温、この感動を得られたことは、十分に満足できるものでした。ラッキーラッキーありがとう!

また行きたいです、偉大なる海原街道!



補足:
実は今日のツアーは、Best Toursというところに申し込んだものの、参加者不足で大手のAPTツアーに便乗させられたものでした。少人数ツアーじゃなくなったと聞いて少しがっかりしていましたが、APTツアーのバスは日本でよく見る観光バスサイズで、車種はVolvo。シートも綺麗でトイレもついていて、安心して乗っていられました。他の少人数ツアーバスは10人弱のワゴンタイプでしたが、あれでは12時間のツアーは辛かっただろうなと思います。バスツアーを検討されている方がいましたら、大型バス(coach)をオススメしますよ。

APTツアーバス。
トイレと前後にドアが付いているのが嬉しい。

おまけ。

途中で立ち寄ったApollo Bayのアイスクリーム屋で、
シイタケ味を見つけてトライ。
ちゃんとシイタケの味がしたけれど、そんなに強烈でもなく。
でも1スクープで充分です。うぷ。

Beautiful sand beach at Loch Ard Gorge.
 

0 コメント:

コメントを投稿